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令和5年度個別労働紛争解決制度の施行状況

2024/10/07

令和5年度「個別労働紛争解決制度の施行状況」が公表されています。

これは、労働局等で行われている、個別労働紛争解決制度の件数を公表したものです。

この制度には、専門の相談員が相談に応じる総合労働相談、労働局が口頭や書面で当事者での解決を促す助言・指導、弁護士や大学教授等のあっせん委員が間に入るあっせん、が含まれており、それぞれの内容・件数が公表されています。
こういった統計は、近時の労働問題の流れや傾向等を読み取ることに役立ち、企業が対策した方がよいテーマが見えてくることもあります。

制度のそれぞれの件数を見てみると、総合労働相談の件数は3.0%減少している一方で、助言・指導申出は5.7%、あっせん申請は6.3%増加しています。

通常、総合労働相談 ⇒ 助言・指導申出又はあっせん申請、というルートになりますので、「相談するだけでなく、第三者に積極的に間に入ってほしい」と望む労働者の割合が増えていると言えそうです。

インターネットの普及や人手不足の風潮等の事情から、自己の権利実現を求める従業員が増えてきているのではないでしょうか。

従業員とのトラブルが起きる可能性が高まってきていると思われますので、企業としては、いざという時に頼れる専門家の確保が大切でしょう。

次に、トラブルの内容を見てみると、「いじめ・嫌がらせ」が多いことが分かります。

総合労働相談では1位、助言・指導では2位(1位と僅差)、あっせん申請では1位となっており、いずれも上位になっています。

ところで、パワーハラスメントは別の統計で集計していますので、この「いじめ・嫌がらせ」はそれ以外のものということになります。
(なお、パワーハラスメントの相談件数も増加傾向にありますので、これも含めれば件数は非常に多いといえます。)

この「いじめ・嫌がらせ」は、経営者からのもの、従業員からのものが混在していると思われますが、いずれにせよ、職場の人間関係がトラブルの種になりやすい、ということは言えそうです。

問題が大きくなると、優秀な人材の離職や、従業員のメンタル疾患を引き起こしかねない(最悪、企業が損害賠償請求を受ける)ので、早めの対策をすることが重要です。

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