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「介護離職」と「今後の仕事と介護の両立支援の動向」について

2024/02/05

「介護離職」とは、家族の介護をする必要から現在の仕事を辞めることを言います。

東京商工リサーチが実施した「介護離職」に関するアンケート調査では、過去1年間に介護離職が発生したと回答した企業は、約10%とのことです。

この数字を多いと見るかは個人差がありますが、将来的に介護離職が増えると考えている企業は約70%とのことで、今後は増加していくことが見込まれます。

一般的に、介護離職をするのは40代後半から50代前半までの従業員で、ベテランといえる社内で相当の役割を担っている従業員であることが多く、特に人手が足りない中小企業にとっては痛手です。

育児・介護休業法には、介護休業や介護休暇の制度が規定されていますが、現実的にはなかなか取得しにくいものです。

例えば、休業の場合、企業は人材の穴埋めをする苦労が生じ、一方で従業員は復帰してから従前の働きぶりを取り戻すまで時間がかかるという不都合があるため、取得に消極的なケースが多く見られます。

従業員が介護と仕事の両立が難しいと判断し、離職に至ってしまうケースが散見されます。

ただでさえ人手が足りていないのに、頼りにしていた中堅の従業員が介護のために離職すると、経営者にとってはどのようにその穴を埋めていくのか、頭が痛いものです。

これまで、休業や休暇の制度は、いかに従業員が取得しやすくするか、いかに取得に対する経営者の意識を変えるか、という従業員側の権利の問題として、主に論じられてきました。

しかし、人手不足の日本社会にあっては、企業がどのように優秀な人材を確保して事業を安定させるか、これは大きな課題です。

休業や休暇の制度は、従業員側の問題だけであるとはいえず、企業における人材確保の問題としても、意識することが大切になっていくでしょう。

2023年11月には、岸田文雄首相から、仕事と介護の両立支援制度を盛り込んだ法案を2024年の通常国会に提出するよう指示がされています。

これからも休業や休暇を巡る法制度は変わっていくことが見込まれますので、企業側の労働問題に特化している当事務所としては、今後の動向に注目しています。


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