解決事例

始終業時刻に関する証拠の真実性が訴訟で争われた事例

事 例

会社に3年勤務した労働者Aが自主退職しました。

退職した数週間後、Aが、未払いの残業代があるとして会社を訴えてきました。

円満に辞めたと思っていた社長は驚き、弁護士へ依頼しました。

訴訟手続による解決

この会社では、各営業日ごとに日報が作成され、作業時間が記入されていましたが、実際の作業時間に関わらず「7~16時」又は「8時~17時」と記入することが慣行になっていました。

Aは、16時(17時)以降も現場の後片付けや書類作成作業をしており、一日の作業が全て終わると社長に、現場を片付けた写真と共に「本日の業務、終了しました」というメールを送ることがあり、Aはその時間が終業時間と主張しました。

社長へメールを送っていない日については、配偶者に対して「今から帰る」というメールを送っており、Aはその時間が終業時間と主張しました。

客観的な証拠が提出され、それなりの説得力がありましたので、訴訟手続の第一回期日から裁判官は「争わないで請求通りに支払ってはどうか」と説得してきました。

Aの主張する終業時間を子細に見ますと、まず、夏と冬とで日照時間の関係で就業時間が異なるにもかかわらず、年間を通して終業時間がほとんど同じである、という不合理な点が見えてきました。

また、配偶者へのメールの時間が遅い時間に及ぶものもあったため、不審に思って社内ヒアリングをしたところ、同僚と遊びに出かけた日が含まれていることが判明しました。

Aの主張の一部に不合理な点があると主張したところ、Aの勢いが衰え、裁判官もAの請求額に疑問を抱くようになりました。

裁判官の勧めもあり、ある程度の金額で和解し、Aに残業代を支払い、解決に至りました。

弁護士コメント

残業代請求を受けた場合、就業時間(始業・終業)の証拠として何が出されているかはとても重要です。

本件のようなメールは、日時が記録として残りますので、その時間に送信したことは明らかになります。
しかしながら、メール送信の時間と、終業の時間が同じであるとは限らず、実際にどうだったのか検討する必要があります。

この観点は、交通用ICカードの履歴が証拠となっている時も同じです。

従業員から残業代請求を受けましたら、当事務所へご相談ください。

(なお、本件は、あくまで実際の事例を改変してフィクションとしたものを「解決事例」としてご紹介するものです。)

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